Azure VMの特殊化されたイメージをバックアップ用途で利用できるか
Azure VMのバックアップ手法についてスナップショットやAzure Backupがよく使われますが、Azure VMの特殊化されたイメージをバックアップとして活用できないか、確認してみました。
Azure VMの特殊化されたイメージ とは
汎用化されたイメージ(SID、コンピュータ名などが削除されたイメージ)と異なり、元のVMからそのまま(汎用化せずに)作成されたイメージとなります。そのため、特殊化されたイメージからVMをデプロイした場合、元のVMと同じ状態でデプロイされます。
ただし、特殊化されたイメージからVMをデプロイする場合は、新規にVMリソースを作成する形になるため、NICリソースやNICリソースに関連するIPアドレス等は変更となる可能性があります。
VMから特殊化されたイメージ作成する際は、対象のVMを停止する必要があります。
バックアップ用途で使えるか
元のVMと同じVM状態のVMをデプロイできるのであれば、バックアップ用途としても特殊化されたイメージ使えるのではないか?と思いましたが、利用できるシーンがかなり限定されれそうです。
そもそもバックアップ用途での使用を想定していない
MSサポートに確認したところ、バックアップ用途での使用は想定していないとのことでした。
バックアップ要件が少ない場合、無理くりやろうと思えばバックアップ用途でも使えるかもしれないですが、製品思想と乖離しているので、バックアップ用途では使わない方が無難です。以下のような制約があります。
諸々の制約事項
例えば、Azure Compute Galleryでは、イメージを保管する際にイメージ定義というものを作成します。このイメージ定義では、パブリッシャー/オファー/SKUを指定する必要がありますが、ベストプラクティスとして元のVMデプロイ時のMarketplace イメージと一貫させることが推奨されています。
参考:Azure Compute Gallery でリソースを格納、共有する – ベスト プラクティス
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/azure-compute-gallery#best-practices
以下抜粋
—-
イメージ定義を作成するときは、パブリッシャー/オファー/SKU を Marketplace イメージと一貫させて、OS のバージョンを簡単に識別できるようにします。たとえば、Marketplace から Windows Server 2019 イメージをカスタマイズし、それをコンピューティング ギャラリー イメージとして保存する場合は、Marketplace イメージで使用されているのと同じパブリッシャー/オファー/SKU をコンピューティング ギャラリー イメージで使用してください。
—-
他方で、一つのAzure Compute Gallery内には、同じパブリッシャー/オファー/SKU を持つイメージ定義を複数作成することはできません(★)。また、Azure Compute Galleryに関しましては、リソース、イメージ定義、イメージバージョンについて、それぞれ上限値の制約があります。
(★)Azure Compute Galleryでは、イメージ定義の配下に実際のイメージをバージョニングして格納が可能(≒複数世代バックアップが可能)です。即ち、同一のパブリッシャー/オファー/SKUを持つイメージ配下に複数のバージョンのイメージが格納可能です。
ご参考: イメージ定義とイメージ バージョンを作成する
ご参考: Azure Compute Gallery でリソースを格納、共有する- 制限
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/azure-compute-gallery#limits
以下抜粋
—-
また、Azure Compute Gallery を使用したリソースのデプロイに対しては、サブスクリプションあたりの制限もあります。
100 個のギャラリー (サブスクリプション別、リージョン別)
1,000 個のイメージ定義 (サブスクリプション別、リージョン別)
10,000 個のイメージ バージョン (サブスクリプション別、リージョン別)
イメージに接続されるディスクは、サイズが 2 TB 以下であること
リソースの移動は、Azure Compute Gallery リソースではサポートされていません
—-
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません