Exchange Online利用開始時に、DNSサーバにCNAMEを登録する理由

なんとなく、Autodicoverという機能を利用するために使われていて、Autodiscoverを使うと、Outlookの初期設定が楽になるくらいの認識(そもそもこの認識も正確ではなかった)しかなかったのでMSへ確認した。

******

質問 ①
CNAMEレコード(Autodiscover)を登録する場合と登録しない場合ではOutlookクライアント側では接続時に具体的にどのような違いがでますでしょうか?

回答①

CNAME レコードに Autodiscover を登録していない場合は、Outlook クライアントでのアカウント設定、メールボックスへの接続、予定表の参照、会議室の検索の他に、他のユーザーとの予定表の共有が行えなくなります。
また、Autodiscover を登録していない場合の画面遷移について詳細を記載している公開情報の確認には至りませんでしたが、過去事例などにより CNAME レコードを登録していない状態で Outlook を起動すると 「Outlook を起動できません」 などの汎用エラーが表示される動作となることを確認しております。

質問②

CNAME(Autordiscover)のDNS登録設定は、Exchange onlineを利用するにあたり、必須作業となりますでしょうか?ExO利用にあたり弊害はないでしょうか?

回答②

Exchange Online をご利用いただくにあたり、CNAME レコードへの Autodiscover の登録は必須となります。
Microsoft 365 Apps をご利用の場合、CNAME レコードの登録がなくとも Microsoft 365 Apps の Outlook が設定するユーザーを Microsoft 365 ユーザーと判定した場合、Outlook 固有の Autodiscover が動作し、アカウント設定および Exchange Online への接続を行うことが可能な動作はあります。
しかしながら会議室の検索、予定表の参照、他のユーザーの予定表の共有、共有メールボックスの追加には Autodiscover の登録がない場合、正常に行えない場合がある事例を複数確認しております。

質問③

仮にAutodiscoverは使用せず、Outlookクライアント側でExOへの接続を手動設定する場合、CNAME登録は不要と考えてもよろしいでしょうか?

回答③

Outlook クライアントから Exchange Online への接続は現在、自動構成による MAPI 接続のみが可能であり、手動接続は行えません。

お電話にて、お客様環境では CNAME レコードへの Autodiscover の登録なしに Outlook クライアントへ接続ができたとお伺いしました。
こちらは前項にてご案内しております Microsoft 365 Apps を利用している場合に Microsoft 365 Apps 固有の Autodiscover が動作したためと推測いたします。
予定表の参照、他のユーザーの予定表の共有、会議室の検索などでも Autodiscover は使用するため、CNAME レコードの登録を行わないとこれらができなくなる場合がありますので、問題なく Exchange Online をご利用いただくためにも CNAME レコードへのご登録が必要となります。
なお、CNAME レコードに登録後、あらためて Outlook のプロファイル作成を行っていただく必要はございませんのでご安心くださいませ。